海外から日本の番組を視聴

海外から日本の番組を視聴するために、かつては大きな衛星アンテナを設置したり、ネットを駆使したりして、在外邦人はこれまでいろんな方法を試みてきました。

ロケーションフリーTVというものが2000年代初頭に出始め、日本の実家などに置いたレシーバーをTVの回線と接続させて、そこに海外で繋いだ専用のモデムでアクセスすると日本で放送中の番組がリアルタイムで観れるというもの。

自宅のある地域で放送されている番組が見れることになります。

この手法は、個人の使用であれば、自宅に置いたレシーバーで視聴できたのですが、サービスとして提供した会社が著作権の侵害として訴えられ裁判になりました。

EUデータ保護法

今では、ネットの回線事情も良くなり、高速回線で快適に観れるようになったと思いますが、2017年頃、今度はEUがデータ保護法を設置します。

これにより、個人データの収集が、ユーザーの承諾無しではできなくなり、サイト運営者も慌てました。

しかし、EUのターゲットは大手のアメリカ企業、Googleなどのデータ収集を行なっていた企業です。施行初日に、対応しなかったとして、莫大な額の罰金が科せられ話題となりました。

商売上、個人データを収集していた小さな会社などは、高額の罰金を恐れて早々と商売を止めてしまったところもあります。

この時期から、だんだんとネットにも制限がかかるようになり、アメリカの新聞社などは、欧州からのアクセスを遮断していました。

日本も同様に、TVのコンテンツなどは、海外からアクセスできないようになっていたのですが、それがさらに強化され、アクセスできないサイトも増えました。

このデータ保護のためにかかるインフラ整備のコストを考えれば、最初から遮断してしまう方が簡単です。

実際にYahooニュースは、EUの国からは閲覧することができなくなりました。

スイスは、EUに属していないため現在でも閲覧することができます。

VPN接続

そこで、新たに出てきたサービスとして、VPN接続サービスという、国外から遮断されたネットにアクセスするための回避方法があります。

これは、欧州のIPアドレスから、日本にあるIPアドレスを介してアクセスするもので、間接的に日本のサイトにアクセスしている状態です。

この機能はウィルス対策のソフトウェアなどにもついていて、VPNをONにして、国を日本にすれば、日本の番組やサイト、ニュースなどが閲覧できます。

デメリットは、回線速度が遅くなったり、欧州のサイトのログインで弾かれてしまう場合があります。

特に金融機関のオンラインバンキングなどは、注意が必要です。

VPNを日本のままにしていると、海外からのアクセスとして認識され不正な接続とみなされることもあります。

それでもうまく使い分ければ、他国のサイトも閲覧できるようになります。

このVPN接続を嫌う人もいて、自宅のネットワークがおかしくなってしまったという人もいますので、使用する場合は業者やソフトのツールなどを選んだ方がいいでしょう。

今では、大きな企業のネットワークはVPN接続が当たり前で、IPアドレスを外部から知られないよう、独自のVPNネットワーク内でログインをして保護されています。

VPNを使用しないとログインできない社内のシステムなどもありますので、社内の機密情報など、アクセスを制限する場合は有用です。