またかと、ため息が出た人も多いイスラム過激派による無差別テロ。
欧州に10年以上暮らしているが、ここまで活発に動いているのは、はじめてなような気さえする。
昨日はチュニジアの博物館で、観光客が狙われ、残念ながら多数の死者が出た。日本人も3人含まれるとの事だ。

混沌とした来たアフリカ情勢は、毎日のように小さなボートで来る難民を見ても分かるように、国を捨てて欧州西側諸国に何とか逃れようとしてきている。
ここスイスでも、周りにイスラム教の知り合いがいて、特に珍しいことでもなく、2世3世の世代にいたっては、スイス人と変わらず社会に溶け込んでいる。
イスラム教といえども、無論テロ集団のような過激派とはまったく関係ないが、現在イスラムと聞いて、良いイメージをもたれないのは心が痛むだろうと思う。

その心の拠り所であるべき宗教が、戦争に発展する。歴史は繰り返されてしまうわけだが、日本人に分かりにくいのは、一神教は他を否定せざるを得ないことだろうか。
欧州では多くの人がキリスト教だが、かつては戦争をして違う宗派の人たちとも殺し合いをしている。
日本人のように、あまり宗教に関心がなく、固執しないような人種は、かえって不思議に思われるくらいだから、生活に根付いた彼らの宗教観は、常日頃から感じられる。

無差別テロが起こると、アジアはもちろん、様々な国の人の情報が飛び交う。これだけ人の移動が簡単になれば、いつどこで誰がテロにあうか分からないわけだが、とにかく、メディアで報じられるような、過激派が潜んでいる国は避けたほうが良さそうだ。チュニジアもしばらくは危険地域に指定され、観光業どころではなくなってしまった。

しかしながら、いったいテロリスト達は、本気で国家の建設や世界の征服など出来ると思っているのだろうか?もしくは、かつての宗教戦争を望んでいるのだろうか?
イスラム教という宗教を盾にテロ行為を続けることは、他のイスラム教徒にとっても侮辱行為に他ならない。
宗教という神聖なものを利用している時点で、彼らに未来はない。